【羊さん大量放置】チベット族の少女が6000頭の羊を野生に返すという出来事が発生
9月9日の情報によれば、中国西部の四川省で、チベット族の少女が6000頭の羊を草原に放ち、野生に返すという出来事が発生したという。大量の羊がトラックで運ばれ、四川省西北部の草原地帯に放置された。真相は一体どうなっているのだろうか?
チベット族の少女が6000頭の羊を野生に返す
報道によれば、先日、卓瑪(ジョマ)さんというチベット族の少女が、四川省カンゼ・チベット族自治州の色達草原で6387頭の羊を野生に戻したという。
卓瑪(ジョマ)さんは5,109,600元(日本円約8500万円相当)を使い、屠殺場から6387頭の羊を購入し草原で野生に戻した。
▼草原に大量放置された羊さんたち
▼今回羊を野生に返したと言われるチベット族の少女、卓瑪(ジョマ)さん
▼トラックで続々と運ばれてくる大量の羊、その数6000頭以上
▼トラックから羊を放出!その費用はなんと日本円で8500万円相当!
色達県の環境保護局のコメントによれば、色達草原の牛羊は現在すでに飽和しており、大規模に野生に戻す行為は実際にはこの地の草原の生態にマイナス影響があるという。
今回の野生に戻す行為は「雪域放生群体」と言う名前の団体が計画したもので、資金は100名程の有志から募金で集められたという。少女ひとりの力で行ったことではなかった。
▼今回羊が放たれた色達草原
▼色達草原は主にチベット族が牧畜生活をしている
世界動物保護協会の科学顧問、孫全輝氏の話によれば、野生に戻すという考えは肯定できるが、科学的な考証を行わずに盲目的に放してしまうのは、想像しなかった結果をもたらす可能性があるという。孫氏は「6000頭もの羊を一度に放してしまうと、環境に適応できるか、病気を持っていないか、エサとなる草は足りるか、などの問題に直面することになる」と指摘した。
まとめ
この話、一見美談のように思えるが少し怪しいと感じられる。日本円にして8500万円もの大金が使われたにもかかわらず、チベット族の少女一人だけが出てくることだ。少数民族、さらに少女という属性は中国では批判しづらいものであり、その少女一人だけ登場させることで、よけいな批判を避けようとしているように感じられる。今回この行為を行った団体は公的なものか民間かはわからないが、何らかの裏があるように思えてならない。いずれにしても、羊さんたちはしばらく生きながらえただけで、早晩ジモティの懐を潤すために再びトラックに詰め込まれてしまうような気がする。(了)
【参考】
今回舞台となった四川省の色達県にはラルン・ガル・ゴンパというチベット仏教の僧院があることで知られている。一度は訪れてみたい場所だ。
▼僧院ラルン・ガル・ゴンパ