【中国たなぼたニュース】中国で住民が古代の文物発見!はたして損か得か?(2)
【(1)の続き】
長い歴史のある中国、現在でも古代の文物があっちこっちから出てくるという。今回はそんな貴重なお宝を見つけてしまった中国の人々の姿を紹介する。
西周時代の石斧を寄付して、報奨金たった100元で超後悔
2014年11月26日、陝西省洛南県の雷軍政さんが寄付した西周時代(紀元前1100年頃 - 紀元前771年)の石斧は、現在洛南博物館に収蔵されている。雷軍政さんは40歳、陝西省商洛市洛南県寺坡何村の村民だ。西周時代の石斧を寄付したことでもらえた政府の文物部門からの報奨金は100元(1600円)だった。村の人達からは馬鹿だと言われ、彼は非常に後悔しているという。
▼雷軍政さんが寄付した石斧
▼雷軍政さんの叔父、雷雲生さんは後悔しきりだという
▼石斧は博物館に収蔵されている
漢代の鉄鋤を掘り出したおじいさんが自分の意志で博物館に寄付
2015年3月25日、陝西省商洛市で、漢代の鉄鋤(てつすき)を掘り出したおじいさんが自分の意志で博物館に寄付した。商洛市商州区夜村鎮代街村の村民、李おじいさんは数年前に自宅の敷地で偶然鉄の塊を掘り出した。文物の専門家に初歩的な鑑定を行ってもらうと、鉄の塊は漢代の鉄鋤(てつすき)で、当時の先進性を示す文物だとされた。それを聞いた李おじいさんは、その鉄鋤(てつすき)を家に持って帰ってしまっておいた。その後この発掘品を購入したいと何度も訪れた人がいたが、売ることはなく、家にしまっておいた。最終的には、家族の勧めで、李おじいさんはこの発掘品を寄付することにしたという。
▼鉄鋤を手にもつ李さんと博物館からの手書きの寄付証明書
▼鉄鋤はかなりの大きさがあるものだ
▼李さんが鉄鋤を発見した場所
自分の意志で古代の刀剣を寄付して報奨金500元ゲット・・・
2014年10月、陝西省丹鳳県のあるコンクリート会社の従業員李磊さんが作業中に約3000年前の戦国時代の青銅の古代の刀剣を発見した。発見した後、十万元(約160万円)以上の価格でこの剣を買いたいという人がいたが、李磊さんはよく法律関連の番組を見ており文物は国家のものだと知っていたので、躊躇なくこの古代の刀剣を政府の文物部門に寄付したという。その後、文物部門からは李磊さんに感謝状と500元(約8000円)の報奨金が与えられた。これに対し、李磊さんは「少なすぎるよ。数千元はもらえるべきだろう」と話した。
▼古代の刀剣を発見した李磊さん
▼李磊さんが発見した刀剣
▼報奨金すくなすぎじゃね、と話した李磊さん
みなさん模範的にも寄付しているが、はたしてよかったのか損したのか。
文物を拾ったけど寄付してしまった人々の話はまだまだある。続きは次回。
【(3)に続く】
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【関連地図】
今回の記事に2回出てきた商洛市。骨董品が良く出土する地域なのだろうか。
有名観光地などはあまりない地域。関中を守る要衝だった武関はこの商洛市にあった。
【翻訳・記事:高晋】