【中国のアトランティス】千島湖の湖底に眠る水中宮殿
中国の浙江省にある千島湖という湖の湖底に、水中宮殿が見つかった。その面積は、スタジアム62個分にも及び、幻想的な情景に、水中に沈んだという伝説で語られるアトランティスになぞらえて、中国のアトランティスと呼ばれているという。どのような情景なのだろうか。
中国の湖底に現れた水中宮殿
この水中宮殿は、かつて獅城と呼ばれた町だ。1959年に作られた新安江ダムにより水没し、現在は「千年水下古城」とも呼ばれている。
この町の歴史は後漢の時代まで遡り、後漢の末年西暦208年に初めて県が設置された。現在水に沈んだ古城は1339年の歴史があり、この地域の経済・交通の要衝として栄えた町だったという。
この水中古城は、古い中国の建築様式がよく保存されており、考古学的にも貴重な存在なのだという。
この古城は観光産業からも注目されており、600万ドルを使って潜水艦を作ってみた会社や、水中観光トンネルを作る計画などもあったが、いずれも頓挫した。
▼新安江ダムによってできた千島湖
▼水没により数多くの島ができたことから千島湖と名付けられた
▼千島湖には大きな島が1078、小さな島は無数にあるという
▼新安江ダム 建設にあたり28万人が引っ越したという
まとめ
中国でダムに沈んだ町と言えば、三峡ダムによるものが有名だ。140万人が移住したと言われ、白帝城のある奉節など数々の街が水に沈んだ。三峡ダムに沈む町は、沈む前に古い町が取り壊されていたが、この新安江ダム（千島湖）では取り壊されなかったようだ。中国のネットユーザーからは、水中に沈んだから壊されずに済んだし保存状態がいいのだという声が多く聞かれた。（了）
【記事：高晋】 /Picture from 中青网
【参考】
中国で農夫山泉（Nongfu Spring）というシェアトップクラスのミネラルウォーターのブランドがある。中国に行ったことのある人は、一度は目にしたことがあるのではないだろうか。このブランドの製造メーカーは、現在は農夫山泉股份有限公司という名称だが、かつては、浙江千島湖養生堂飲用水有限公司という名称だった。その名の通りもともと、千島湖の良質な水を利用してミネラルウォーターを作るところから始まった会社なのだ。1996年創業だが、現在は大規模な飲料メーカーに成長している。
ところで、農夫山泉には、「农夫山泉有点甜（農夫山泉は少し甘い）」という有名なキャッチコピーがあるが、もう一つ「我们不生产水，我们只做大自然的搬运工（私たちは水を作っているのではない、ただ大自然の運び屋をやっているのだ）」というキャッチコピーがある。このキャッチコピーをみると、それ言っちゃう？、と思うのは私だけだろうか。
▼農夫山泉 /Picture from Nongfu Spring
