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愛ちゃんは醤油?日本女子卓球団体のオリンピック銅メダル獲得に中国からも祝福

リオオリンピックでの日本女子卓球チームの銅メダル獲得に日本でも多くの祝福が寄せられたが、福原愛選手の人気が高い中国のネットユーザーからも多くの祝福の声が聞かれた。しかしその中国のネットユーザーの祝福の中に、なぜか「愛醤」という言葉が多く書かれていた。まるで醤油の名前のようなこの言葉の意味は何なのだろうか。中国の祝福の報道とともにお伝えする。

▼銅メダルを獲得した日本女子卓球チームの福原愛選手

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中国でも大きく報道された銅メダル獲得

8月17日、網易(NetEase)・新浪(SINA)・騰訊(Tencent)などの中国のニュースメディアが一斉に日本女子卓球チームの銅メダル獲得を報道

愛ちゃんがまた泣いた。日本卓球女子団体チームは、伊藤美誠選手が最後の1ポイントをゲットし、3対1でシンガポールチームに打ち勝って銅メダルを獲得した。感激のあまり福原愛選手は顔をおおうばかりに泣いたが、今回流した涙は幸せの涙となった。

福原愛選手のチームメイト石川佳純選手と伊藤美誠選手は勝利を喜び、3人はしっかりと抱き合ったが、福原選手は涙を流していた。リオオリンピックに参加する前に、福原選手はリオオリンピックが彼女にとって最後のオリンピックとなるかもしれないと話していたという。日本のメディアの報道によれば、オリンピック後に福原選手は中華台北の卓球選手、江宏傑選手(こうこうけつ/ジャンホンジエ/Jiang Hongjie)と結婚する可能性があるとも言われている。
CCTV中国中央テレビ)の記者によれば、前の2試合で福原選手は連続して敗北しており、チームメイトが出色のパフォーマンスを見せてカバーし、チームはなんとか一歩一歩勝ち上がってきた状況だったという。これが福原選手に少なくないプレッシャーを与えていた。チームは最終的にオリンピックメダルを獲得できたため福原選手は非常に感情を揺さぶられたのだろうとのこと。しかし彼女の涙は、自責の念とともに、喜びも含まれていた。
福原選手は「石川佳純選手が2勝して、私は2敗してしまった。プレッシャーはすごく大きかった!掛布団が濡れるほど泣いた。今日(シンガポールの)ユー・ムンユ選手に負けた後、伊藤美誠選手に自分を信じろと言った。銀メダルはあと一歩で取れなかったけど、銅メダルも金メダルみたいなもの。銅の字を分解したら、“金と同じ”になるでしょう?メダルをとれたから、もう少し感動していたい」とコメントしたとCCTVの記者がWeibo(中国版Twitter)に書き込んだ。この書き込みに対するのネット上のコメントの中で、中国のネットユーザーたちは口々に福原選手の中国語能力に称賛を送っていた。「字を分解するなんて、愛ちゃんの中国語は10級だ!」。
これまで、福原選手はかわいいイメージと、おしゃれな性格、流ちょうな中国語で多くの中国のファンから愛されてきた。試合に負けたときに感情をコントロールできずに泣くこともある。福原選手が涙を流す姿を見るたびに、中国のファンは心を痛めてきた。あるファンはSNS上に「たまには中国の選手が負けてもいいから、福原選手に一度は優勝してもらいたい」とコメントしていた。

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▼涙を流す福原選手の様子

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中国のネットユーザーからの多くの祝福

この報道に対して、ネット上では多くの称賛の声が寄せられた。

  • 勝ったんだから、もう泣かなくていいよ。これまでもう十分に涙は流してきた。
  • 美しい涙だ。
  • 「愛醤」おめでとう!
  • 「愛醤」はとてもかわいい!
  • 政治は政治、スポーツはスポーツ、祝福したい。
  • 「愛醤」は中国の奥さんだ! (←?)

中国での福原選手の人気をうかがえるコメントが並んだ。中国の人々もよろこんでいるのはいいのだが、このよく出てくる「愛醤」という単語はなんだろうか? 

 

 愛ちゃんは醤油かタレ?

上に書いた中国のネットユーザーのコメントを読んでいればわかると思うが 「愛醤」は福原愛選手のことなのだ。では“愛”は福原選手の名前なのでわかるが、“醤”とはなんだろう。中国語では“醤”は醤油やタレの意味、なぜ愛ちゃんを表す言葉に使われているのだろうか。ここで皆さんに思い出してもらいたいのは、食品スーパーの中華調味料コーナーだ。

▼中華調味料のラベルに注目!

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中華調味料と言えば、ピリ辛の豆板醤(トウバンジャン)、甘くてコクのある甜麺醤(テンメンジャン) 、高級調味料XO醤(XOジャン)等がある。ここで注目してほしいのはその“醤”の部分の読み方「ジャン」だ。

中国のネットユーザーが愛ちゃんのことを呼ぶ「愛醤」に、その読み方を当てはめてみよう。“愛”は中国でも同じ読み方「アイ」、それに“醤”の「ジャン」。これをくっつけると、「アイジャン」。もうお分かりだろうか。そう、日本語の「あいちゃん」の音を中国語で漢字に当てはめると、「アイジャン」つまり「愛醤」となるのだ。

▼中国のネットでは完全に定着している「愛醤」(画面:検索結果=164万件)

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中国では、このような音訳の愛称が定着するほど知名度のある福原選手、今後も中国の人々からも注目されながら、日本の卓球選手として卓球界を引っ張って行ってほしいと願うばかりだ。(了)

 

 

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【記事・翻訳:高晋】
Via/Pic:sohu.com