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【人治の国、中国】重慶市の田舎に船上移動法廷が出現

7月14日、重慶市雲陽県の第一人民法庭は裁判巡回のため船上“移動法廷”を開始した。http://img3.cache.netease.com/photo/0001/2016-07-14/BRUVOUNL00AP0001.jpg

 雨季に気象変化が激しくなる時期に、辺鄙な地域でも訴訟案件を迅速に処理するため、船上法廷が巡回することを決めたという。

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この日、移動法廷では、家庭内の訴訟案件や、土地を巡る係争などを迅速に審理していった。

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船内では訴訟関連の事務手続きが行われていた。http://img2.cache.netease.com/photo/0001/2016-07-14/BRUVOU0V00AP0001.jpg

近年、中国の農村部では住民に司法の便宜を提供することを目的に、巡回法廷活動が展開されているという。

 

中国は法治国家ではないという意見がよく聞かれるが、今回の例のように末端では法治を広げようという努力が行われている。ただ中国は広すぎるので、なかなか徹底できないのが実情だ。また汚職が蔓延しており、政府や司法(一般企業もだが)への付け届けによる便宜を図る習慣が普通のこととなっている。

このような状況では、法令を遵守して正直にやっていても、付け届けが効くコネクションを持っている商売敵に容易に負けてしまう。それならば自分たちも負けないようにコネクションを使い有利に進めようとしてしまう。逆に正直者は中国では社会的に不利な立場になり、苦境に立たされる。このような国民性が、中国を法治ではなく人知の国だと言われる原因の一つなのだ。

それならば付け届けなどは全く禁止してしまえばいいとも言えるが、他の国でも贈り物と付け届けが賄賂かどうかの線引きは難しいように、中国でもその判断は容易ではなく、黙ってやることもできてしまうので、取り締まりは難しいのだ。さらに広大な中国のことならばなおさらだ。

さらに外国人を困惑させるのは、表面的には法律が厳しく適用される側面もあることである。外国人や外国企業などには特に厳しいこともある。

中国が今後、法治を浸透させていくことができるかは定かではない。中国社会では完全な法治は適しておらず、ある程度人治によって解決することができるほうが社会に適しており、国民もそのほうが暮らしやすいと感じるのかもしれない。

いずれにせよ、このような中国の国情を理解しておくことが、中国と接するうえでは役に立つかもしれない。

 

【Via:】

重庆巡回法庭在船上进行审判_网易新闻

 

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【関連地図:重慶市雲陽県】

重慶からの三峡下りの途中の寄港地の一つである雲陽県。重慶から豊都の鬼城に寄って、運陽には寄らずに白帝城のある奉節に直接行く場合も多い。ツアーの内容によって変わる。

 

【翻訳・記事:高晋】